ない過払い金|主文 1 本件控訴を棄却する。

過払い金の求めた裁判の控訴である被控訴人が,公営住宅でである都営住宅αアパー ト(旧称都営住宅βアパート。)


住宅の自治会は,居住の場を共通する都営住宅入居 者の親睦的組織であって,都営住宅の管理に関して,入居者に対し,その意 思に反して義務を課したり,権利を制限するなどの強制的権限を有するもの ではない。
また,都営住宅の自治会が法的権限を行使することは,入居者の 全員が加入しているわけではないという都営住宅の自治会の実態からも不可 能である。
したがって,自治会に,会費の支払をした入居者のみに団地敷地 内の駐車を認める権限などはなく,β団地自治会長が作成した報告書(甲 8)も,自治会が許可のない駐車を認めたものではないとの認識に従って作 成したものであり,それ以上の意図はない。
本件は, 2 原判決7頁9行目の「ウ」の次に続けて,次のとおり加える。
「行政財産である都営住宅の敷地は,事業主体である控訴人の許可なく占有 することが認められないのは異論のないところであるが,同敷地は,都営住 宅入居者の適切な住環境の実現がその目的・機能である。
本件において,」 3 原判決7頁11行目の「したがって」から同13行目の「観点からすれ ば,」までを次のとおり改める。
「すなわち,自治会に加入していない入居者も,助成金が共益的又は管理的費 用に充当されたことで,居住の場の環境が適切に維持され,向上したという 3 点において利益を享受したものといえるから,自治会加入者のみに不当利得 を請求するのは相当でない。
さらに,入居者に対して,自らの居住環境を良 好に維持するため自発的動機に基づく無償での協力を前提にしている都営住 宅管理における協働関係を考慮するならば,本件においては,(3)で述べるよ うな自主的ボランティア活動が行われており,このことにより公営住宅の維 持・管理に振り向けなければならない行政資源が軽減されているのであるか ら,」 4 原判決7頁16行目の「当該都営住宅等の」から同17行目末尾までを次の とおり改める。
「事業主体である東京都の収入とはならない。
都営住宅における駐車場の利用 料金は,指定管理者である公社に本来的に帰属する収入であるから,本件で は,東京都に損失が発生していない。
エなお,仮に不当利得返還請求権が発生するとしても,駐車場設置事業に より設置される共同施設である駐車場の利用料相当額と同額が不当利得と なるわけではない。
なぜなら,本件条例上の共同施設として設置される駐 車場は,共同施設としての適格性を備えるものであり,都営住宅敷地内の 空き地とは本来的性格が異なるからである。
」 5 原判決8頁16行目末尾の次に行を改めて,次のとおり加える。
「平成16年4月23日最高裁判所第二小法廷判決(民集58巻4号892 頁。

敷金授受の目的

賃貸借契約は,目的物を使用収益させる義務と賃料支払義務とが対価関係に立つ契約であり,民法上,賃料以外に賃借人が金銭の支払義務を負担することは予定されていない。
ところで,一般に,建物賃貸借契約の締結に際して敷金の授受が行われているが,これは賃料その他の賃借人の債務を担保する目的で賃借人から賃貸人に交付される金員であり,賃貸借終了時に賃借人に債務があればこれを控除した残額を,賃借人に債務がなければ全額を賃借人に返還されるものと解されており、このような敷金の授受自体は,その目的に照らして,民法上の任意規定に比して賃借人の義務を加重するものとはいえない。
しかし,このような敷金について,賃借人の債務の有無・その額にかかわらず,その一部をあらかじめ返還しない(その結果,賃貸人がその部分を当然に取得することになる)ことを約束することは,敷金授受の目的を超えるものであるから,本件敷引特約は民法上の任意規定に比して賃借人の義務を加重する条項であり,この点は控訴人も認めるところである。
そこで,進んで本件敷引特約が賃借人の利益を一方的に害するものか否かについて検討する。
この点,賃借人の債務の有無・その額にかかわらず,敷金の一部を賃借人が当然に取得することは,敷金授受の目的を超えており,それ自体から賃借人の利益を一方的に害するように見える。
しかし,敷引の目的,敷引金の性質,敷引率が合理的なものであり,かつ,賃借人がこれを十分に理解・認識した上で敷引特約に合意をした場合は賃借人の利益を一方的に害するということはできないというべきである。


以下「自販機判決」という。
)は,行政財産である道路が権原なく占有 された場合,道路管理者は占有者に対し,占用料相当額の不当利得返還請求 権を有すると判示しているものの,はみ出し自動販売機に係る最大の課題は, それを放置することにより通行の妨害となるなど望ましくない状況を解消す るためこれを撤去させるべきであるということにあったのであるから,対価 を徴収することよりも,はみ出し自動販売機の撤去という抜本的解決を図る ことを優先した東京都の判断は,十分に首肯することができると判示して, 道路管理者が占用料相当額の損害賠償請求権又は不当利得返還請求権を行使 しないことは違法でないとしている。
本件は,そもそも不当利得返還請求権が問題となる事案ではないが,仮に 被控訴人が主張するように駐車料相当額が不当利得になったとしても,駐車 料相当額を不当利得として徴収するよりも,自治会の協力の下,優先課題で あった無断駐車車両を有料駐車場に移転させて無断駐車を速やかに解消させ たことが評価されるべき事案であって,不当利得返還請求権を行使しないこ とは,自販機判決の趣旨に適合するものといえる。
」 第3 当裁判所の判断 1 当裁判所も,被控訴人の本件請求は理由があるものと判断する。
その理由は, 次のとおり付加し,又は訂正するほかは,原判決の事実及び理由欄の「第3 当裁判所の判断」に記載のとおりであるから,これをここに引用する。
(1) 原判決14頁13行目の「駐車場」から同14行目の「生じて」までを 「駐車場使用料相当額の利益が生じており,東京都には同額の損失(なお, この損失については,後に改めて検討する。
)が生じて」と,同16行目の 「駐車場」を「駐車場所」と,同21行目の「駐車場の利用料」を「駐車場 所の使用料」と,それぞれ改める。
(2) 原判決15頁12行目の「であることに照らすと,」を次のとおり改める。
「であり,居住者が自動車を駐車させていた場所が駐車場所としては整備さ れていない空き地であることに照らすと,損失額は,有料駐車場の利用料 の約1割減の月額2万5000円であると認めるのが相当であり,」 (3) 原判決15頁14行目の「677万6000円」を「605万円」に,同 18行目の「646万8000円」を「577万5000円」に,それぞれ 改める。
(4) 原判決16頁4行目の「この点について,」を次のとおり改める。
「なお,控訴人は,都営住宅の自治会は,居住の場を共通する都営住宅入 居者の親睦的組織であって,都営住宅の管理に関して,入居者に対し,そ の意思に反した義務を課したり,権利を制限するなどの強制的権限を有す るものではない,都営住宅の自治会が法的権限を行使することは,入居者 の全員が加入しているわけではないという都営住宅の自治会の実態からも 不可能であり,自治会に,会費の支払をした入居者のみに団地敷地内の駐 車を認める権限などはないと主張する。
しかし,法的権限及び強制力はないにせよ,」 (5) 原判決16頁6行目の「駐車させることが」の次に続けて,「現実には」 を加える。
(6) 原判決17頁18行目冒頭の「(5)」を次のとおり改める。
「(5) 控訴人は,行政財産である都営住宅の敷地は,都営住宅入居者の適切 な住環境の実現をその目的・機能としており,駐車場所の利用者から会 費名目で徴収された金員は,β団地の共益的又は管理的費用に充当され たことで,居住の場の環境が適切に維持され,向上したという点におい て利益を享受しているのであり,これは,自治会への加入の如何に関わ らないはずであるのに,自治会加入者のみに不当利得を認定するのは相 当でないと主張し,さらに,事業主体と自治会との協働関係を考慮する と,東京都には,損失の発生を観念することができないと主張する。


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原審
原審は,被控訴人の訴えを適法とした上で,目的外使用許可による行政財産 の使用については使用料を徴収できるのであるから(地方自治法238条の4 第7項,225条),東京都は,自主管理委員会の会員に対して駐車場利用料 相当額の不当利得返還請求権を有しており,自主管理委員会は会員から徴収し 2 た合計55万円の会費を助成金としてβ団地自治会に支払ったことにより,不 当利得返還請求権の対象となる55万円の利益がβ団地自治会に移転したから, 東京都はβ団地自治会に対して不当利得返還請求権を有するとして被控訴人の 請求を認めたところ,控訴人が不服を申し立てた。 そのほかの事案の概要は,次のとおり付加し,又は訂正するほかは,原判決 の事実及び理由欄の「第2 事案の概要」に記載のとおりであるから,これを ここに引用する。 1 原判決6頁6行目の「いたものではなく,β団地の」を次のとおり改める。